はじめに
収入が増えれば、できることも増えていきます。
欲しいものを買う。
広い家に住む。
旅行へ行く。
将来のために貯蓄する。
お金は、生活の選択肢を広げるために欠かせないものです。
一方で、収入を増やすために働く時間が長くなり、自分の時間がほとんど残らなくなってしまうこともあります。
そんなときに考えてみたいのが、「もっとお金を増やすこと」より「自分で使える時間や選択肢を持つこと」を優先する生き方です。
自由とは「働かないこと」ではない
お金より自由を優先すると聞くと、
仕事を辞める。
できるだけ働かない。
収入を気にせず好きなことをする。
といった生活を想像するかもしれません。
しかし、自由を大切にすることは、働かないこととは限りません。
自分で働く時間を選べる。
休みたいときに休める。
住む場所を選べる。
嫌なことから離れられる。
新しいことに挑戦できる。
こうした「自分で選べる状態」も自由の一つです。
そのためには、むしろ一定のお金が必要になることもあります。
大切なのは、お金と自由を反対のものとして考えるのではなく、「何のためにお金が必要なのか」を考えることです。
収入が増えても自由が増えるとは限らない
収入が増えることは、多くの場合うれしいことです。
しかし、収入と自由が必ず同じように増えるとは限りません。
収入は増えたけれど、毎日長時間働いている。
休日も仕事の連絡が気になる。
責任が増えて、長期間休めなくなった。
生活水準が上がり、今の収入を維持しなければならなくなった。
このような状態では、使えるお金は増えていても、自分で使える時間や選択肢は減っているかもしれません。
だからこそ、収入だけではなく、「その収入を得るために何を差し出しているのか」まで考える必要があります。
お金だけでなく「時間」も資産として考える
買い物をするとき、私たちは金額を見て判断します。
しかし、そのお金を得るためには時間を使っています。
例えば、何かを買うために働く時間を増やすのであれば、その商品には値札に書かれた金額だけではなく、自分の時間も使っていることになります。
もちろん、すべての買い物を労働時間へ置き換えて考える必要はありません。
ただ、
「これを買うためなら働きたい」
「これは自分の時間を使ってまで欲しいものだろうか」
と考えてみると、買い物の見え方が変わることがあります。
お金だけではなく、自分の時間も限りのあるものとして扱うことが、自由を大切にする考え方につながります。
生活費が大きくなるほど必要な収入も増える
収入が増えると、少しずつ生活水準が上がることがあります。
家賃の高い家へ引っ越す。
車を買う。
高価なものを日常的に買う。
利用するサービスが増える。
それ自体が悪いわけではありません。
自分が本当に価値を感じているなら、お金を使うことも暮らしを豊かにしてくれます。
ただし、毎月必ず必要になる支出が増えるほど、それを維持するために必要な収入も増えていきます。
すると、
「仕事を変えたいけれど収入を下げられない」
「少し休みたいけれど生活費が心配」
という状態になることもあります。
固定的な支出を抑えることは、節約だけではなく、人生の選択肢を残すことにもつながります。
「もっと稼ぐ」以外の方法を考えてみる
生活に余裕がないと感じたとき、多くの場合は「もっと収入を増やそう」と考えます。
もちろん、収入を増やすことが必要な場合もあります。
一方で、
必要な生活費を見直す。
使っていないサービスを減らす。
なんとなく続けている支出をやめる。
所有するものを増やしすぎない。
といった方法によって、必要なお金そのものを減らすこともできます。
例えば、毎月必要な金額が少なくなれば、「もっと働かなければ」という負担も小さくなる可能性があります。
収入を増やして余裕を作る方法と、必要な支出を減らして余裕を作る方法。
両方を考えてみることで、自分に合ったバランスを見つけやすくなります。
自由のために貯めるという考え方
貯金というと、
老後のため。
家を買うため。
大きな買い物をするため。
といった目的を考えることがあります。
しかし、「選択肢を持つために貯める」という考え方もあります。
仕事を変えたいとき。
少し休みたいとき。
引っ越したいとき。
新しいことを始めたいとき。
一定の蓄えがあれば、すぐに収入を得なければならない状態から少し距離を取れることがあります。
貯蓄は、将来何かを買うためだけではありません。
「今の環境を変えたい」と思ったときに、自分で選択できる余裕を作るものでもあります。
自分にとっての「十分」を考える
お金には、「ここまであれば必ず満足できる」という共通の基準がありません。
収入が増えれば、それまで欲しくなかったものが欲しくなることもあります。
だからこそ、ときどき自分に問いかけてみます。
どんな家に住みたいのか。
何にお金を使いたいのか。
どのくらい働きたいのか。
休日をどう過ごしたいのか。
何ができれば、自分は十分だと思えるのか。
「もっと」を基準にすると、終わりはなかなか見つかりません。
一方で、自分なりの「これくらいあれば心地よく暮らせる」が分かれば、その先を収入ではなく時間に使うという選択もできます。
自由にもお金が必要なことを忘れない
自由を優先するといっても、生活に必要なお金まで軽視する必要はありません。
住居費。
食費。
光熱費。
医療費。
将来への備え。
生活にはさまざまな支出があります。
経済的な余裕が少なすぎれば、かえって選択肢が狭くなることもあります。
だからこそ目指したいのは、「お金を必要としない生活」ではありません。
自分に必要なお金を確保しながら、そのために人生の時間を使いすぎない状態です。
そのバランスは、人によって違います。
まとめ
お金より自由を優先するとは、お金を大切にしないことではありません。
働く時間を自分で選べる。
休む余裕がある。
環境を変えたいときに変えられる。
好きなことに時間を使える。
そんな「自分で選べる状態」を大切にする考え方です。
そのためには、収入を増やすことが必要な場合もあれば、生活費を小さくしたり、貯蓄を増やしたりすることが役立つ場合もあります。
大切なのは、ただ「もっと稼ぐ」を目指し続けるのではなく、「自分は何のためにお金が欲しいのか」を考えること。
お金そのものをゴールにするのではなく、自分が望む時間や選択肢を守るための手段として考えることで、自分にとっての豊かさが少しずつ見えてきます。
