はじめに
「毎月貯金しようと思っているのに、気づけばお金が残っていない。」
給料日には貯めるつもりだったのに、生活費や買い物に使っているうちに月末になり、「今月は余裕がなかったから来月にしよう」となってしまう。
そんなときに役立つ考え方が「先取り貯蓄」です。
ポイントは、節約を頑張ることではありません。貯蓄を「月末にする判断」から「給料日に終わっている仕組み」へ変えることです。
先取り貯蓄とは?
先取り貯蓄とは、「生活して余ったお金を貯める」のではなく、収入が入ったら最初に一定額を貯蓄へ回し、残ったお金で生活する方法です。
例えば、毎月の手取りが30万円で3万円を貯めたいとします。
月末に3万円残すことを目標にするのではなく、給料が入った段階で3万円を別の貯蓄用口座などへ移します。
すると、普段の生活で使うお金は最初から27万円になります。
やっていることは単純ですが、大きく違うのは**「貯蓄する順番」**です。
「余ったら貯める」が難しい理由
月末に残ったお金を貯める方法には、一つ難しいところがあります。
毎月、使う金額を自分で調整しながら、「最後にいくら残せるか」を管理しなければならないことです。
食費や日用品だけでなく、友人との食事、急な買い物、趣味など、支出は毎月まったく同じにはなりません。
そのため、「今月はあとどれくらい使っていいのか」を何度も考えることになります。
そして月末になってから、
「思ったより使ってしまった」
「今月は出費が多かった」
となれば、貯蓄は後回しになります。
つまり、余ったお金を貯める方法では、貯蓄が毎月の支出の最後に置かれているのです。
先取り貯蓄では、この順番を逆にします。
先取り貯蓄は「使えるお金」を先に決める仕組み
先取り貯蓄の本質は、単に早く貯金することではありません。
「今月使っていいお金はいくらか」を最初に決められることにあります。
30万円が口座に入った状態で3万円を残そうとすると、日々の買い物では30万円を基準に考えることになります。
しかし、最初に3万円を別にしておけば、生活費として考えるのは27万円です。
すると、「30万円から3万円を残さなければ」と毎回考える必要がありません。
貯蓄を意志の強さで守り続けるのではなく、最初から生活費とは別のお金として扱えるようになります。
先取り貯蓄は、我慢を増やす方法というより、家計のスタート地点を変える方法なのです。
毎月の「貯金するかどうか」という判断をなくす
先取り貯蓄を続けるうえで大切なのが、自動化です。
毎月自分で別口座へお金を移す方法でもできますが、それでは給料日になるたびに、
「今月はいくらにしよう」
「今月は出費がありそうだから少なくしよう」
と判断することになります。
判断する機会が多いほど、後回しになる可能性も増えます。
そこで、給与が入ったあとに一定額を自動で別口座へ移す仕組みや、自動積立ができる預金などを利用すると、毎月考える必要がなくなります。
重要なのは特定のサービスを使うことではなく、自分が何もしなくても貯蓄が先に行われる状態を作ることです。
貯蓄を「頑張って続ける行動」から「毎月自動的に起こること」へ変えられれば、管理の負担も小さくなります。
貯蓄額は「多いほどいい」とは限らない
先取り貯蓄を始めるときに注意したいのが、金額を高く設定しすぎないことです。
例えば、毎月5万円を先取りしても、生活費が足りなくなって月末に3万円を貯蓄口座から戻しているなら、実際に貯まっているのは2万円です。
これでは、先取りした金額そのものにあまり意味がありません。
大切なのは、「いくら貯めたいか」だけではなく、「いくらなら戻さずに生活できるか」を見ることです。
最初は5,000円や1万円などでも構いません。
数か月続けてみて生活に余裕があるなら、少し増やす。
反対に、毎月取り崩してしまうなら減らす。
先取り貯蓄は、一度決めた金額を何があっても守るルールではありません。
自分の生活に合わせて調整しながら、続けられる金額を見つけていく仕組みです。
「貯めるお金」と「使うお金」を分ける
先取りしたお金を普段使う口座にそのまま置いていると、どこまでが生活費で、どこからが貯蓄なのか分かりにくくなります。
そこで、生活に使うお金と貯めるお金を分けて管理すると、目的が明確になります。
例えば、
「普段使うお金はこの口座」
「貯蓄は別の口座」
というように役割を分けるだけでも構いません。
毎日の買い物をするたびに「これは貯金分まで使っていないだろうか」と計算する必要がなくなります。
お金を細かく管理するのではなく、最初に役割を分けておく。
これも先取り貯蓄を続けやすくする考え方の一つです。
まとめ
先取り貯蓄とは、「余ったら貯める」から「先に貯めて、残ったお金で生活する」へ順番を変える方法です。
そのメリットは、毎月節約を頑張ることではなく、貯蓄するかどうかを何度も判断しなくて済むことにあります。
最初から大きな金額を設定する必要もありません。
まずは無理なく続けられる金額を決め、できれば自動化し、生活費とは分けておく。
貯蓄を意志の強さに頼るのではなく、「給料が入ったら自然に貯まる仕組み」に変えることが、先取り貯蓄の基本的な考え方です。
