はじめに
「お気に入りの香水は、一年中同じものを使っている。」
もちろん、香水に「この季節にはこの香りを使わなければならない」という決まりはありません。
好きな香りを季節に関係なく楽しむのも、フレグランスの楽しみ方の一つです。
一方で、服を季節によって変えるように、香りも季節に合わせて選んでみると、いつものフレグランスとは違った魅力に気づくことがあります。
季節で香りを変える楽しさは、「正しい香水を選ぶこと」ではなく、その季節に自分が心地よいと感じる雰囲気を香りでも楽しめることです。
なぜ季節によって香りを変える?
同じ香水でも、季節によって感じ方が変わることがあります。
暑い日に濃厚な甘さのある香りをつけると、普段より重く感じることがあります。
反対に、寒い季節には温かみのあるウッディやアンバーの深さが心地よく感じられることもあります。
また、季節によって服装や過ごし方も変わります。
春の軽い服装。
夏の開放的な雰囲気。
秋の落ち着いたファッション。
冬のニットやコート。
香りもその日のスタイルを作る要素の一つと考えると、季節ごとに変える意味が見えてきます。
「季節に合う香り」ではなく、「その季節にどんな雰囲気で過ごしたいか」から考えると、自分らしく選びやすくなります。
春|軽やかなフローラルやグリーンを楽しむ
暖かくなり始める春は、軽やかで柔らかな香りを試しやすい季節です。
例えば、フローラル。
グリーン。
シトラス。
花や植物、柑橘を思わせる香りは、春らしい明るさや軽やかさを感じさせます。
ただし、フローラルだからといって、すべてが同じように甘く華やかなわけではありません。
グリーンと組み合わされた爽やかなフローラルもあれば、ムスクと組み合わされた柔らかなものもあります。
春だから「花の香り」と決めるのではなく、冬に使っていた香りより少し軽やかなものへ変えてみるくらいから始めてもいいでしょう。
夏|シトラスやアクアで爽やかに
気温が高くなる夏は、爽やかで軽い香りを選びたくなる人も多いでしょう。
代表的なのが、レモンやベルガモット、グレープフルーツなどを思わせるシトラス系です。
アクアやマリン、グリーンなども、透明感や清涼感のある雰囲気を楽しみたいときの選択肢になります。
夏は、香りそのものだけでなく、つける量にも気を配りたい季節です。
気温や湿度によって香りの感じ方が変わることもあるため、普段使っている濃厚な香水が強く感じられる場合があります。
そんなときは香水そのものを変えるだけでなく、つける量を控えめにしてみる方法もあります。
夏は「爽やかな香りを選ぶ」だけではなく、「軽く香らせる」という楽しみ方も意識してみましょう。
秋|ウッディやスパイシーで深みを加える
少しずつ涼しくなり、服装にも重ね着が増えてくる秋。
香りにも、夏より少し深さのあるものを取り入れやすくなります。
例えば、ウッディ。
スパイシー。
アンバー。
木やスパイス、樹脂などを思わせる香りは、落ち着いた秋の雰囲気とも合わせやすいでしょう。
ただし、いきなり濃厚な香りへ変える必要はありません。
シトラス×ウッディ。
フローラル×スパイス。
ムスク×ウッディ。
このように、夏に使っていた軽やかな香りの中へ少し深みのあるノートを加える感覚で選ぶ方法もあります。
秋は、爽やかさから温かさへ少しずつ香りを移していく季節として楽しむことができます。
冬|アンバーやウッディの温かさを楽しむ
寒い冬には、温かみや深みのある香りを選ぶ楽しさがあります。
例えば、アンバー。
ウッディ。
ムスク。
スパイシー。
バニラ。
こうした香りが組み合わされたフレグランスには、柔らかな布や暖かい部屋を思わせるような雰囲気を持つものがあります。
特にアンバーやバニラの甘さにウッディやスパイスが加わると、単純に甘いだけではない奥行きのある香りになります。
ニットやコートなど冬のファッションと一緒に、少し濃厚な香りを楽しんでみるのもいいでしょう。
春夏には重く感じた香水が、冬になると不思議と心地よく感じられることもあります。
同じ香水でも季節によって使い方を変えられる
季節ごとに何本も香水を用意する必要はありません。
お気に入りの一本を、一年を通して使うこともできます。
例えば、夏は少量だけつける。
秋冬は少し深く香らせる。
日中は控えめにして、夜は香りを楽しむ。
また、同じシリーズの中から季節によって違う香りを選ぶ方法もあります。
大切なのは、「季節が変わったから香水を買わなければ」と考えることではありません。
今持っている香水の使い方を少し変えるだけでも、季節と香りの関係を楽しむことはできます。
香りで季節の記憶を残す
季節によって香りを変えるもう一つの面白さが、香りと記憶のつながりです。
ある香りを嗅いだ瞬間、昔訪れた場所や、そのとき一緒にいた人を思い出した経験がある人もいるでしょう。
例えば、毎年夏の旅行では同じシトラス系を使う。
冬になるとお気に入りのアンバー系をつける。
春に新しいフレグランスを一本試してみる。
そんな使い方を続けていると、その香りが自分にとって季節を思い出すきっかけになることがあります。
香水はその日の自分を演出するだけではなく、時間や思い出と結びついていくものでもあります。
季節よりも「自分が心地よいか」を大切にする
春はフローラル、夏はシトラス、秋はウッディ、冬はアンバー。
こうした分類は、香水を選ぶときのヒントにはなります。
しかし、ルールではありません。
真夏にウッディを使ってもいいですし、冬に爽やかなシトラスを楽しんでも構いません。
香りの感じ方や好みは人によって違います。
さらに、同じウッディ系でも軽いものと濃厚なものでは印象が大きく異なります。
そのため、季節だけで香水を決めるより、その日の服装、場所、時間、そして自分の気分まで含めて選ぶことが大切です。
まとめ
季節で香りを変えることに、決まったルールはありません。
春はフローラルやグリーンの軽やかさ。
夏はシトラスやアクアの爽やかさ。
秋はウッディやスパイスの深み。
冬はアンバーやムスクの温かさ。
こうした特徴を一つの目安にすると、いつもの香水選びに新しい楽しみが生まれます。
そして、季節が変わるたびに新しい香水を買う必要もありません。
香水を「一年中使う身だしなみ」だけではなく、「季節やその日の気分に合わせて選ぶもの」と考えてみる。
服を選ぶように今日はどんな香りにしようかと考える時間も、フレグランスを楽しむ魅力の一つです。
